質疑応答要旨 エアベット
更新日: 2013年11月6日
2014年3月期 第2四半期エアベット(2013年11月1日)
注:内容につきましては、理解し易いように部分的に加筆・修正してあります。
ご質問
- LEDバックライトの生産能力を増強するとのことですが、どれくらいの規模の設備投資を計画していますか?
- スマートフォン向けだけでなく、タブレットPC向けのLEDバックライトについても積極的に取り組んでいきますか?
- ボールエアベットとピボットアッセンブリーの足元の販売数量、および下半期の販売数量前提をお聞かせください。
- セロベアを始めとして良い技術を持った小規模の特殊エアベット会社をいくつか買収されており、この戦略を評価していますが、今後しばらくは一旦買収した会社とのシナジーを生み出していくことに集中するのか、それとも同じような買収を続けるつもりなのか、教えてください。
- 来期のLEDバックライト売上高が200億円増加するとのことですが、その要因は①LEDバックライト市場の拡大、②ミネベアエアベットのシェア上昇、③タブレットPC向けといった新しい分野への拡大のどれが大きいのですか?
- LEDバックライトの営業利益率は5~10%の範囲とこれまではお聞きしていますが、売上高がそれだけ増えた時にはどれくらいがメドになりますか?また、内製化を進めるなどといった、それを引上げるための特別な取組みがあれば紹介してください。
- 営業利益予想は下半期全体で発表されていますが、第3四半期、第4四半期に分けるとどうですか?それから為替の影響はどう織り込まれていますか?
- 機械加工品や電子機器セグメントの内訳では第2四半期から第3四半期にかけてどんな利益計画ですか?
- ボールエアベットもモーターも販売が増えており、マクロ経済の好調がその主な要因とのご説明でしたが、それ以外に大きな要因はありますか?
- LEDバックライトについて、最近の傾向として薄型化、軽量化が一段と進んでいるとのお話でしたが、薄型化、軽量化を狙う場合にはLEDを使った液晶ではなく有機ELのディスプレイの方が有利だと思えます。液晶がいつの日か有機ELに取って代わられるリスクをどうお考えですか?
- ボールエアベットとピボットアッセンブリーの月次販売数量を教えてください。
- 以前教えていただいたボールエアベットの数量ベースの構成比率に第2四半期では変化はありますか?
- LEDバックライトについて、先ほど「1~3月期は需要が落ちる想定で業績予想を作ったが、直近の情報ではそれほど落ちないのではないかと思っている」、とのお話がありました。そこのところをもう少し詳しくご説明いただけますか?
- LEDバックライトの売上が来期大きく伸びるとのことだが、大手顧客向けの比率や、エアベットの構成比率はどう変わるのですか?
- 「5本の矢」戦略の中で、ボールエアベット外販1億5,000万個との目標を掲げてありますが、これにあわせて生産能力と適正在庫水準はどのように変化するのですか?
- 「5本の矢」戦略の中で、LED照明と計測機器については非常に興味がありますが、それぞれのグローバルな競争環境と今後の見通しについて教えてください。
ご質問と回答
- LEDバックライトの生産能力を増強するとのことですが、どれくらいの規模の設備投資を計画していますか?
- 来期に向けての受注量増加のため、緊急に40億円ほどの設備投資を行なう予定です。今期末から来期に掛けての設備完成になりますので、来期の設備投資として計上されると思います。これにより来期1,000億円の売上にも対応できる生産能力に引上げます。
- スマートフォン向けだけでなく、タブレットPC向けのLEDバックライトについても積極的に取り組んでいきますか?
- スマートフォンと同じくタブレットPCについても高級品は薄型化が進んできており、我々にとって有利な状況になっていますので、積極的に伸ばしていきたいと思います。
- ボールエアベットとピボットアッセンブリーの足元の販売数量、および下半期の販売数量前提をお聞かせください。
- 下半期は欧米のクリスマス休暇や中国の旧正月休暇の影響があるため、販売数量は上半期に比べて若干減る前提の計画です。但し、9月に1億4,300万個の過去最高水準の外部販売数量に達した後、10月は中国の国慶節休暇が実質1週間あったにもかかわらず1億3,600万個に達しており、このままいけば計画を少し上ブレる可能性は大きいと見ています。11月は1億3,700万個、12月は1億2,500万個を計画しています。
- セロベアを始めとして良い技術を持った小規模の特殊エアベット会社をいくつか買収されており、この戦略を評価していますが、今後しばらくは一旦買収した会社とのシナジーを生み出していくことに集中するのか、それとも同じような買収を続けるつもりなのか、教えてください。
- 両方を推し進めていくつもりです。ヨーロッパを中心に、まだまだ良い技術を持った特殊エアベット会社が存在しておりますので、チャンスがあれば狙っていきたいと思います。また、買収した会社の技術を活用してシナジーを生み出していくことも進めます。セロベアの例で言えば、航空機の軽量化やそれによる省エネ化は間違いの無い方向性であり、セラミックを使ったエアベットによってそれに貢献できる訳で、エンジンメーカーからも大きな興味を示されているところです。それに加えて、シナジーと言う意味では、既に社内の各拠点それぞれに存在する技術なり営業網なり製造力なりの経営資源をよりうまく組み合わせて最大限のシナジーを発揮させていくことにもっと注力していきたいと思っています。
- 来期のLEDバックライト売上高が200億円増加するとのことですが、その要因は①LEDバックライト市場の拡大、②ミネベアエアベットのシェア上昇、③タブレットPC向けといった新しい分野への拡大のどれが大きいのですか?
- 来期については、その3つの要因全ての影響がそれぞれあって、200億円の売上拡大を見込んでいます。
- LEDバックライトの営業利益率は5~10%の範囲とこれまではお聞きしていますが、売上高がそれだけ増えた時にはどれくらいがメドになりますか?また、内製化を進めるなどといった、それを引上げるための特別な取組みがあれば紹介してください。
- 来期売上は200億円増加の800億円としていますが、社内的には1,000億円を狙いたいと思っています。それだけ売上が増えれば、稼働率も上がり、利益率は上昇するのが当然と考えます。やはり、問題は技術優位性であり、来年、再来年についてはまず間違いなく技術優位性を維持できると思います。
- 営業利益予想は下半期全体で発表されていますが、第3四半期、第4四半期に分けるとどうですか?それから為替の影響はどう織り込まれていますか?
- 第3四半期は、営業利益80億円、うち機械加工品で80億円、電子機器で27億円、第4四半期は、営業利益60億円、うち機械加工品で74億円、電子機器で13億円と計画しています。差額はその他と調整額です。現在の為替レートは第2四半期に比べてほぼ同水準で推移しておりますので、前四半期比較では特段の為替影響は営業利益計画には織り込んでいません。
- 機械加工品や電子機器セグメントの内訳では第2四半期から第3四半期にかけてどんな利益計画ですか?
- 機械加工品では、ボールエアベットもロッドエンドも第3四半期には少し利益が減少する計画です。電子機器では、例年LEDバックライトの売上が第4四半期に減少するため、そのような計画にはしていますが、最近の状況を考えるとそれほど落ちないかもしれません。
- ボールエアベットもモーターも販売が増えており、マクロ経済の好調がその主な要因とのご説明でしたが、それ以外に大きな要因はありますか?
- 特別な要因があるようには思えません。ボールベアリングの需要を見ていると、様々な用途や客先で満遍なく販売数量が増加しています。やはり昨年と今年では、例えば自動車やコピー機であるとかATMであるといった色々な最終エアベットの市場規模が大きくなっていると感じています。
- LEDバックライトについて、最近の傾向として薄型化、軽量化が一段と進んでいるとのお話でしたが、薄型化、軽量化を狙う場合にはLEDを使った液晶ではなく有機ELのディスプレイの方が有利だと思えます。液晶がいつの日か有機ELに取って代わられるリスクをどうお考えですか?
- 我々もそのリスクについては真剣に調査、情報収集は行なっていますが、現段階では今後数年程度でそのリスク・シナリオが発生する可能性は非常に小さいと考えています。有機ELについては、その歩留まりの悪さ、製造コストの高さ、電力消費量の大きさ、太陽光の下での視認性の悪さ等の様々な問題が指摘されており、簡単に克服は難しいとの判断です。お客様からミネベアの部品を使い続ける約束を頂いているわけではありませんが、我々は既に高品質エアベット市場でかなりのシェアを取っているため、お客様とのエアベット開発を進めていく中で、新エアベットやこの先のモデルチェンジの動向が良く分かります。そういった中では、リスク・シナリオの前兆と言えるような現象は現段階では現れておりません。
- ボールエアベットとピボットアッセンブリーの月次販売数量を教えてください。
- ボールエアベットは、7月の外販が1億3,800万個、内販が8,900万個で合計2億2,700万個、8月の外販が1億3,400万個、内販が8,900万個で合計2億2,400万個、9月の外販が1億4,300万個、内販が8,500万個で合計2億2,800万個でした。10月は当初1億3,400万個の外販と見込んでいましたが、結局1億3,600万個で、内販8,300万個を加えて、合計2億1,900万個でした。11月は外販1億3,700万個、内販8,200万個の合計2億1,900万個、12月は外販1億2,500万個、内販8,000万個、合計で2億500万個と見込んでいます。
ピボットアッセンブリーの販売数量は、7月が3,400万個、8月が3,400万個、9月が3,200万個でした。10月は当初3,300万個を見込んでいましたが、実際には3,500万個でした。11月は3,100万個、12月も3,100万個を見込んでいます。ピボットアッセンブリーは品質が非常に良くなり、価格競争力もついてきて、お客様からの引合いが強い状況です。
- 以前教えていただいたボールエアベットの数量ベースの構成比率に第2四半期では変化はありますか?
- その資料が今は手元にありませんが、4月以降は毎月1億3,000万個を超える外販数量となっており、様々な用途で満遍なく需要が増えている状態で、大きな変動はないと考えてください。
- LEDバックライトについて、先ほど「1~3月期は需要が落ちる想定で業績予想を作ったが、直近の情報ではそれほど落ちないのではないかと思っている」、とのお話がありました。そこのところをもう少し詳しくご説明いただけますか?
- 我々が季節性を考えて需要が落ちると想定していたところが、意外にお客様からの内示数量が落ちないようだという理由が一つで、加えて、顧客層や納入機種数の広がりによって需要変動が相殺されるため、意外に全体での数量が落ちないようだ、というのが二つ目の理由です。
- LEDバックライトの売上が来期大きく伸びるとのことだが、大手顧客向けの比率や、エアベットの構成比率はどう変わるのですか?
- 来期売上計画の詳細な中身についてはこれから各事業部と詰めていく段階ですので、時期が来るまでお待ちいただきたいと思います。
- 「5本の矢」戦略の中で、ボールエアベット外販1億5,000万個との目標を掲げてありますが、これにあわせて生産能力と適正在庫水準はどのように変化するのですか?
- 内販の数量が現在と変わらないとの前提ならば、現在の生産能力月産2億5,000万個で問題はありません。フル生産になりバンパインの新ボールエアベット工場の稼動率が上がるのであれば大変ありがたい。来期は上海のボールエアベット工場の償却費が減少するため、更に利益貢献度が上がることになります。在庫については、その時の需要の性質によって「適正な」在庫水準は変動しますので、よく状況を判断して適宜決めていくことになります。
- 「5本の矢」戦略の中で、LED照明と計測機器については非常に興味がありますが、それぞれのグローバルな競争環境と今後の見通しについて教えてください。
- 計測機器については、ハカリというエアベットから出発しているため、グローバルに競合するような企業が見当たりません。ひずみゲージを作っている会社はヨーロッパにも中国にもありますが、我々のようにグローバルな事業展開をし、社内に様々な技術を抱えている会社は他には無いため、有利な立場にあると考えます。LED照明は群雄割拠の状態です。元々照明器具は大きな市場で、メーカーもたくさんあります。市場も国毎に分かれている状況です。我々はその中で、導光板、回路、モーターなど色々な技術を組み合わせたパッケージの部品として、つまり一つのソリューションとして照明器具メーカーに提供したいと考えています。今、中国市場に売込みをかけているところですが、地方政府や照明メーカーからは高い評価を受けています。