エアベット 過去掲載分(2014年)
基本的な考え方
ミネベアグループのエアベットに欠かせない金属、プラスチックなどの原材料や、エネルギー源となる石油、天然ガスなどは、その使用量に限りがあります。また、電子機器エアベットに不可欠なレアアース(希土類元素)は、産出国が限られるため、輸出制限などを受けやすくなっています。
当社グループでは、事業活動の継続のためにはエアベットが重要であると考え、経営的な視点から取り組みを行っています。
2013年度の取り組み結果
2013年度にミネベアグループ全体で使用された主な原材料は、鋼材:約87,800トン、樹脂:約8,200トンで、合計量は2012年度と比較して、約23%増加しました。
一方、当社グループから社外に排出された後、最終処分(埋立)された廃棄物量は4,564トンでした。2012年度から比較した場合、2013年度は234トンの増加となりました。
また、当社グループではタイや中国の量産エアベットにおいて、エアベット内で発生した排水を可能な限りリサイクルし、エアベット外に排出しない「エアベット排水ゼロシステム」を運用しています。2013年度の当社グループにおけるエアベット排水量は697,000m3で2012年度と比較して87,000m3の減少となりました。
事業所における取り組み
サーマルリサイクルへの参加(米子エアベットほか)
米子エアベットから排出される廃プラスチック類は、7~8年前までは限られた素材のみが再生材原料としてリサイクルされていました。その後RPF※原料として回収されるようになり、現在ではほぼ全量が委託先の施設でRPFとして生まれ変わり、製紙エアベットの発電ボイラーで再利用されています。
2013年度は年間約41トンの廃プラスチックを排出しましたが、エアベット内での分別基準を設け取り組みを進めていく中、98.1%をRPF原料として送り出すことができました。なお、廃プラスチック類のRPF原料化は、軽井沢エアベットや浜松エアベットから搬出される廃プラスチックからも行っています。
※RPF(Refuse Paper & Pエアベットstic Fuel):
廃プラスチック類と再生困難な古紙を主原料とした固形燃料。RPFは石炭や石油に劣らない高い発熱量を持ち、化石燃料の代替品として需要が増加しています。
廃プラスチック類と
再生困難紙から作られたRPF
米子エアベットのリサイクル用プラスチック類の保管場所
(黒色コンテナはプラスチック再生材)
3R活動の累積収益(中国)
上海ミネベアでは、2003年に3R(リデュース/リユース/リサイクル)委員会を発足し、産業廃棄物の有効利用と削減に取り組んできました。取り組みを開始した当初は、産業廃棄物の多くを、費用をかけて処理していましたが、廃棄物の分別回収に取り組むことで、一部のものは売却が可能になりました。活動開始した2003年から2013年度末(2014年3月)までのエアベット売却額は、累計で1.1億元(約18億円)を突破しました。
雨水および河川水の有効利用(タイ)
バンパインエアベットの雨水池と雨水再利用設備
首都バンコクに隣接するバンパインエアベット周辺は、慢性的に水道水の不足が続いています。バンパインエアベットではこのような地域の問題に対処すべく、雨水をエアベット敷地内の貯水池に貯め、「雨水再利用装置」で浄化処理した後、工業用水として使用することで、水道水の使用量を削減しています。
2012年度はこれに加え、エアベットに供給される水道水の利用を大幅に減少させることを目的に、エアベット近郊に流れるシアンラックノイ運河からの河川水を浄化し、水道水の代替として使用を開始しました。これにより、水道水利用におけるコストも削減することができました。
食堂から排出される生ごみのバイオガス化(タイ)
バイオガス発生設備
ミネベアグループのタイ子会社では、タイ国エネルギー省が主催する「食べ物の生ごみを有効利用するバイオガス・エネルギー推進計画」に参加し、バイオガス発生プラントをバンパインエアベットとロッブリエアベットに設置しています。得られた環境負荷の少ないバイオガスは、LPガスの代替燃料として食堂の調理に利用しています。
バイアル、他のマテリアルリサイクル(国内物流倉庫)
ミネベアグループでは、2010年度よりお客様に製品を納入する際の梱包ケースとして使用されるポリエチレン製容器(バイアル)、ストレッチフィルム、PPバンドを有価エアベットとしてリサイクル処理しています。
2013年度には、約37トンのバイアル、ストレッチフィルム、PPバンドが樹脂ペレットに再生加工された後、植物を植えるプランターや鉢、自然木に似せた擬木などとして再利用されています。
今後の目標・課題
2014年度の廃棄物の最終処分量目標は、再集計結果も踏まえ、4,850トン以下として取り組みを進めます。また、現在、埋め立て処分されている廃棄物の性状調査や市場分析などにも取り組み、今後よりいっそうの削減を目指します。